愛知県にお住まいの中村さんご夫婦(仮名)は、ヨーロッパの城のようなシャトー風住宅を、ローンを使って建築。数社から断られながらも、粘り強く工務店や職人を探したことで実現できたそうです。
オーナーさんデータ
愛知県 中村さんご一家(仮名)
- 家族構成:
- 夫・武志さん(42歳・会社員)、妻・美智さん(39歳・専業主婦)、子ども3人
- 建設時の世帯年収:
- 700~1000万円
- 建てた家:
- 工務店・注文住宅(2階建て、5LDK。土地面積300m2。延床面積200m2)
- 購入価格:
- 5,500万円
- 利用ローン:
- 半田信用金庫「知多半島転入応援住宅ローン」
- 金利タイプ:
- 固定金利型
- 金利:
- 1%(2017年3月実行)
- ローン借入金額:
- 4,500万円
- 借入期間:
- 35年
- 毎月の返済額:
- 13万円
- 中村さんご夫婦が、家を新築するにあたり思い描いたのは、ヨーロッパの王族・貴族が住むシャトー(城・大邸宅)のような家でした。
- 武志
- 夫婦ともども、ヨーロッパの街並みや建造物が大好き。それが高じて、結婚式はパリの教会で行うほどでした。だから、家を建てるときにも、どちらからともなく、「ヨーロッパ風の家が良いね」という話になりました。
- 美智
- ヨーロッパ風と言っても様々ですが、私たちが憧れていたのは「シャトー」。それも、「円塔」がある、いかにもお城のようなシャトーです。
- じつは結婚式の場所を選ぶとき、パリ郊外のシャトーも候補にあがっていました。このときは実現できませんでしたが、それなら、違う形で夢を叶えようと思ったのです。
- 武志
- 実家に使われていない農地があったので、その土地を住宅用に転用して、建てることにしました。
- ところが、有名なハウスメーカーや地元の工務店に相談したところ、軒並み断られてしまったそうです。
- 武志
- 円塔をつくるには、円に見せるように十数角形の構造にしなければならない上、曲形の部材なども必要になります。また、円錐状の屋根をつくれる瓦職人も限られています。普通の角ばった家をつくるときと比べて、かなり難易度が高いのです。
- 「構造上難しい」「コストがかかる」「施工事例がない」……。以前ハウスメーカーに勤めていたので、そう言われることはある程度予想していたのですが、改めてその難しさを実感しました。
- 美智
- ハウスメーカーに断られるたびに、心が折れかけ、正直、私は、なかば円塔を諦めかけていました。
- 武志
- しかし、私は、諦めきれませんでした。そこで、前職のつてをフル活用して様々な工務店にアプローチし、ようやく施工できる工務店を探し出しました。
- そこでも、円錐状の屋根を作れる瓦職人はアテがなかったので、自力で探し出しました。
- 私も工務店の監督も輸入住宅の知識がなく、デザインや輸入部材の特徴などは完全に手探り。ただ、家造り自体は好きでしたし、まして自分の家でしたから、作り上げていくプロセスは楽しいものでした。根気よく工務店や職人を探したことで、良い方と巡り会え、現場を見ながら細かい修正や変更にも応じていただけました。
- 家を建てようと考えてから、5年6カ月後。念願のシャトーが完成しました。
- 美智
- 完成した姿を見たときは、今までの苦労を思い出し、感無量でした。なんといってもお気に入りは、円塔です。ヨーロッパ旅行で見かけたような円塔に住めるなんて夢のよう。友人や近所の方にも「かわいい」と好評です。
-
家のシンボルである円塔。16角形の構造物を巧みに円柱に仕上げた
-
ヨーロッパの雰囲気ただよう石畳をモルタル造形で再現
- 武志
- 100%やりたいことができたかというと、そうではなく、妥協した部分もあります。例えば、こうした輸入住宅風の家の場合は、部材やインテリアまで輸入品にこだわる人が多いようですが、うちの場合は、コスト面や機能面を考えて、ドアなどに日本製品を使いました。
- でも、こうしてできあがってみると、家中どこを見回しても、自分の思い通りにできている。だから、言うことは何もありませんね。
-
玄関ドアは輸入品のようなデザインだが、実はリクシルの国産。
ガラスが多めなので玄関が明るい - 美智
- 外観だけでなく、内装にもこだわったので、ソファーに寝転んで家の中を眺めているだけでも、テンションが上がってワクワクします。賃貸住宅に住んでいた頃は、休日になると外出していましたが、この家に引っ越してからは、「家でゆっくりする」という選択肢ができました。
-
ダブルのR壁(曲面壁)から見えるダイニングのシャンデリアとアイアンは、美智さんの大のお気に入り
-
シャンデリアと吹き抜け窓から見えるダークブルーの空が、ホテルのような雰囲気を演出
- 武志
- じつは、家具はまだ届いていないものがありますし、外溝も完成していません。植栽などもこれから考えるところなので、あと1年は作業が続きそうです。でも、楽しみが続くと思うと、苦にはなりませんね。
-
ダイニングテーブルはイタリアの職人によるオーダーメイド。やや低めにして、引き出しを付けてもらい、文句なしの仕上がり
-
トイレもヨーロッパテイスト。メインのモザイクタイルが引き立つよう、ゴールドのミラーは小さめをチョイス
-
冬の生活が楽しくなる薪ストーブも設置
- ローン借入額は4,500万円。半田信用金庫の「知多半島転入応援住宅ローン」を選びました。
- 武志
- 最終的に、建物だけで5,500万円もかかってしまったので、できるだけ金利の低い住宅ローンを借りたいと考えていました。そこで、さまざまな金融機関の住宅ローンを探していたところ、見つけたのが、半田信用金庫の住宅ローンです。知多半島以外から、半島5市5町に転入する人だけが借りられるという商品で、まさに私たちにピッタリ。固定金利型で金利が1%と低かったので、迷わずに決めました。
- 結びに、ヨーロッパ風の注文住宅を建てることを検討している人へのメッセージを伺いました。
- 武志&美智
- 一生に一度のお買い物だからこそ、時間をかけて納得のいく家づくりをしていただければと思います。出来ないことなんてありません!ハウスメーカーや多方面の専門家のアドバイスを聞くことも大事ですが、最終的には、自分の気持ちと自分のこだわりを信じてほしいです。また、家族の意見にも耳を傾けて、皆が納得いく家を目指してみてください。
ライターからのコメント。
ヨーロッパの物語の中に迷い込んだと錯覚するような、素敵なお宅でした。思い描いた理想の家を諦めなかったからこそ、このような家ができたわけですね。
簡単に諦めないほうが良いのは、住宅ローンも同様です。中村さんの場合は、いろいろ探すことで、地元の信用金庫で、移住者に対して低金利で建設費用を貸し出す住宅ローンを見つけ出しました。住宅ローンを借りるときは、さまざまな金融機関を比較検討してください。とくに移住する場合には、その地域の金融機関にも着目すると良いでしょう。
参考リンク
※今回ご協力いただいた中村さんのインスタグラムのURLは https://www.instagram.com/partage_love0726
文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン