車は、できるだけ安く購入して乗りたいと考える人は多いでしょう。新車を購入する際には購入時期を見直すだけで、費用を安くできることもあります。また新車にこだわらないなら、中古車も選択肢に含めることで、コストを抑えて購入できるでしょう。
この記事では、車の購入や利用するコストを抑える方法や購入するときの注意点、維持費を抑える方法、マイカーローンを活用して毎月の負担を減らすおすすめの方法について紹介します。
車を買う場合の費用や流れは?
リースやレンタルではなく、自分の車を持ちたいという方も多いでしょう。車を買う場合の費用や流れ、車を買うときに必要なものについて解説します。
車を買うときの費用
車の購入には、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。
株式会社ホンダアクセスが公開した「クルマ選びとクルマの利用に関する調査 2021」によると、新車の平均購入価格は約209万円でした。もちろん、この金額は平均であり、車種やグレードによって価格は大きく変わります。また、本体価格の他にも税金(自動車税、自動車重量税など)や保険料等がかかります。
なお、一般的に中古車は新車よりも安く購入できます。価格が折り合わなければ中古車の購入も検討してみましょう。
車を買うときの流れ
車の購入は、どのような流れで進めていくのでしょうか。まずは購入したい車の選定です。次に新車か中古車のどちらにするかを選択します。
車の条件が決まったら、ディーラーか中古車販売店か等、購入する店を選択し、在庫の確認を行います。実際に試乗して乗り心地を確かめ、気に入ったなら見積書の発行を依頼し、購入するか検討します。購入を決めたら必要な書類を提出し、代金を支払い納車となります。
車を買うときに必要なものは?
車を購入するためには、書類をはじめ様々なものが必要です。必要書類等には、自分で用意するものと販売店が用意してくれるものがあります。
自分で用意するもの
- 実印 ※普通自動車の場合
- 印鑑登録証明書 ※普通自動車の場合
- 印鑑 ※軽自動車の場合
- 住民票 ※軽自動車の場合
- 車庫証明書
販売店が用意してくれるもの
- 車検証
- 自賠責保険証
- 委任状
普通自動車と軽自動車では用意するものが一部異なりますので、購入する車に合わせて間違えないように準備しましょう。
納車前に準備しておくこと
車は購入してから納車されるまでにある程度の時間がかかります。駐車場がなければ車庫証明書を入手できないので、もし、駐車場が決まっていなければ、この間に決めておきましょう。また自賠責保険の補償対象は対人に限られ、運転手や対物の補償がないため、万一に備えて任意保険に加入するかどうかも検討しておきます。加入するなら納車までに契約を済ませておきましょう。
車を安く買う方法
同じ車を購入するなら、できるだけ安く購入したいものです。いい車を少しでも安く買うためにも、次に紹介する方法を検討しましょう。
タイミングをはかり交渉する
車は時期によって購入価格が変動する場合があります。決算期やボーナス期は販売店の業績を左右する時期になりますので、セールが実施されていたり、値引き交渉に応じてもらいやすくなったりすると言われています。
また、モデルチェンジの直前も、値引きする場合があるので、もし狙っている車のモデルチェンジが予定されているなら、その時期まで待つのも一つの手でしょう。
見積もりを比較する
同じ車種であっても、販売店やディーラーによって値引き率や諸費用が異なる場合があります。そこで、複数店舗で見積を取り、価格を比較することが重要です。
陸送費を確認する
販売店から納車される場所まで車を運んでもらうためには陸送費がかかります。当然、運ぶ距離が長くなれば高額になり、近ければ費用を抑えやすくなります。したがって、陸送費がかからない、もしくは低額で抑えられる近場の販売店を選ぶと、費用を抑えられます。
中古車を買う
一般的に中古車は新車と比較して車両価格が安いため、状態の良い車を選べば、価格を抑えて買えるメリットがあります。また、以下のポイントに注意することで購入後に生じる費用を抑えることができます。
- 車検の有無や有効期限をあらかじめ確認しましょう。車検の残りの期限が長い車を買うことで費用を抑えられます。車検費用が早期に必要となる場合はそれも含めて費用を計算しましょう。
- 保証継承ができるかを確認します。保証継承がある場合は、修理費用などの費用を抑えられる可能性があります。
車の条件に優先順位をつける
車選びにはさまざまな要素が影響します。同じ車種であっても、デザインやボディカラー、年式、オプションの有無といった要素に購入意欲が左右されることもあるでしょう。
これらの要素は車の価格にも影響します。同じ車種でも色が違うだけで価格が大きく変わることも珍しくありません。また、外見は同じでもエンジンの違いによって全く別の車のように扱われる場合もあります。
全ての条件を求めると、それだけ車両価格は高くなります。譲れるところ、譲れないところなど条件に優先順位を付けた上で予算に合う車を選ぶとよいでしょう。
リセールバリューの高い車を選ぶ
好みもありますが、できればリセールバリューの高い車を選ぶとよいでしょう。リセールバリューの高い車は高く売却できるので、実質的に安く車を買うことができます。どの車のリセールバリューが高いのかは販売店に確認すると教えてもらえることもあります。
車を買うときの注意点
車は安くない買い物です。購入後に後悔するような事態にならないよう、次に紹介するポイントに注意して購入する車を検討しましょう。
試乗する
必ず試乗しましょう。試乗せずにイメージや外見だけで買ってしまうと、実際の運転のしやすさや乗り心地が想像と異なり後悔する羽目になります。また、運転のしやすさ、操作性がイメージと異なると思わぬ事故につながることもあるため、試乗して運転席からの視界やメーターの視認性、走行感やライトの明るさなどを事前に確認することが重要です。
期間に余裕をもつ
新車は購入から納車までに1カ月前後の時間がかかるのが一般的です。また、車種の人気や希望するオプションによっては、それ以上の時間がかかる場合があります。
車を使う予定がすでに決まっていたり、納車の希望日があったりする場合は、その日までに間に合うよう、納車までの期間に十分な余裕を持てるスケジュールを組みましょう。
買い替える場合は相場を確認する
「買い替え」を検討している場合、現在所有している車の売却価格の相場を調べておきましょう。
買い替え時に車を売却する方法は、一般的にディーラーの下取りに出して、新車の購入費用から差し引いてもらう「ディーラーの下取り」と「買取業者への売却」があります。どちらの方法を選ぶかによって買取価格が異なりますので、自分の車がいくらで売れるのか事前にリサーチし、より高く売却できる方法を選ぶようにしましょう。
信頼できる店舗で買う
車は買った後も車検や故障などで販売店との付き合いがあるため、アフターサービスがしっかりしている信頼できる店舗から買うようにしましょう。
中古車は過去のトラブル歴を確認する
中古車を購入する際には、できるだけお得な車を選びたくなりますが、相場からかけ離れた安さの車には注意が必要です。水没歴や修復歴を持ち、後々、故障やトラブルに見舞われ修理費がかさむ可能性があるからです。目当ての車の価格が相場よりも安い場合は、過去のトラブルの有無、安さの理由などを販売店に確認しておきましょう。
年式を確認する
車の所有者には、自動車税(種別割)や自動車重量税といった税金が課せられます。これらの税額は車種や排気量、車体の重量が基準になるほか、新車登録からの経過年数も影響します。
自動車税および自動車重量税は、新車登録から13年を境に税額が上がるため、古い車は割高の税金を納めなければなりません。中古車を購入する際には年式を確認し、各種税金がどの程度かかるのかを把握しておくことで、予想外の出費を抑えることができます。
維持費を減らして車に安く乗る方法
車を購入すると様々な維持費が発生します。維持費には税金、保険料、ガソリン代、駐車場代、メンテナンス費用などがあります。まずはできるだけ維持費を抑えて安く乗る方法をチェックしておきましょう。
燃費が良い車種を選ぶ
ガソリン代やEVの場合は電気代が、維持費を大きく左右するので、まずは燃費が良い車を選びましょう。軽自動車やコンパクトカーのような排気量が小さな車や、ハイブリットカーなどのエコカーは燃料効率が優れているため、燃費がよくなっています。
一方、車体が重いミニバンや大排気量のスポーツカーなど、大型の車は全般的に燃料効率が劣ります。事前に燃料効率を確認しておきましょう。
税金や車検費用が安い車種を選ぶ
維持費の中でもまとまった金額になりやすいのが、車にかかる税金や車検費用です。税金は排気量が小さく車体が軽い車ほど安くなります。特に軽自動車は税金が安く、普通車の数分の1程度に抑えることが可能です。また、車検時に支払う自賠責保険も、普通車よりも軽自動車のほうがわずかながら安く抑えられます。
税金や自賠責保険料、車検費用は完全にゼロにはできませんが、維持費を抑えるなら、できるだけ負担が少ない車種を選ぶとよいでしょう。
加入している保険を見直す
自動車の保険には、強制加入の自賠責保険と、自分で加入の有無を決める任意保険があります。任意保険は補償内容や保険料を見直すことで保険料を抑えられる可能性があります。
また保険商品の中には、長期間事故を起こしていないゴールド免許保有者や、安全性に配慮した車種を対象にした割引制度を設けているものがあります。保険料がもっと安くなる方法がないか見直してみましょう。
駐車場を見直す
車を所有するためには駐車場の確保が必須です。自宅に駐車スペースがない場合には駐車場を借りる必要がありますが、駐車場の料金はエリアによって大きな差があります。自宅から同程度の距離であっても、周辺環境によって料金に違いが出ることは珍しくありません。安い駐車場を見付けられれば金銭的負担を軽減できます。
こまめに車のメンテナンスを行なう
日頃からのメンテナンスを行なうことで故障などに早く気付くことができ、大きな修理を避けられます。業者にメンテナンスを依頼する場合は、依頼先によって交換部品の費用や工賃が異なるため、事前に確認し、数社を比較検討することが大切です。
エコカー減税・グリーン化特例制度を活用する
エコカー減税は、排ガス性能や燃費が高い車を新規登録した場合、自動車重量税の減税を受けることができる制度です。電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)、クリーンディーゼル車(CDV)などが対象となり、車種によって対象期間は異なります。エコカー減税が適用される車の場合、自動車保険料が割引になることもあります。
低金利のマイカーローンを利用して安く車を購入できる
車は高額なので、大半の人が一括払いではなくマイカーローンを利用しています。ここでは、マイカーローンの概要と上手な利用の仕方についてご紹介します。
マイカーローンとは
マイカーローンとは、金融機関が提供する車の購入に利用するためのローン商品です。車の代金を金融機関が販売店に立て替えて支払い、利用者が分割で金融機関に返済する仕組みです。
マイカーローンのメリット
マイカーローンは、車の代金を金融機関が立て替えて支払い、利用者が分割で一定額を返済し続ける仕組みなのでまとまった資金が無くても車を購入できます。また、車の本体価格だけでなく税金や自賠責保険料といった初期費用もローンに組み込める場合があります。マイカーローンでは毎月の支出を把握しやすいため、家計の見通しが立てやすいというメリットもあります。
金融機関から融資を受けるマイカーローンは、ディーラーと契約するローンよりも金利が低い傾向があります。また、金融機関の条件を満たせば優遇金利が適用される可能性もあり、利息を含めたトータルの車の購入費用を抑えることができます。
マイカーローンのデメリット
マイカーローンでは車両本体価格だけでなく、利息も支払う必要があるため、一般的に支払総額が一括購入よりも高くなります。また、ディーラーローンよりも審査が厳しい上に、審査結果が出るまでに時間がかかることが多いので、時間に余裕をもって申込む必要があります。
マイカーローンを賢く利用して毎月の負担を軽減
マイカーローンは数年にわたり返済する必要があるので、無理のない範囲で借り入れすることが大切です。
マイカーローンの返済が負担にならない借り入れ条件とは、どのような内容になるのでしょうか。イー・ローンの「マイカーローンのこだわり返済額シミュレーション」を参考に、異なる返済条件で借り入れた場合の返済計画を見てみましょう。
300万円のマイカーローンを次の条件で借り入れた場合の返済額は以下の通りです。
- 金利タイプ:固定金利
- 返済方式:元利均等返済
- 元金据置期間:なし
- 返済期間:5年(60カ月)
金利 | ボーナス返済 | 毎月の返済額 | 総返済額 |
---|---|---|---|
金利:4% | なし |
¥55,249 |
¥3,314,942 |
金利:2% | なし |
¥52,583 |
¥3,154,968 |
金利:2% | 10万円(年2回) |
¥35,901 |
¥3,154,057* |
* 返済開始月:11月、ボーナス返済月:1月と7月の場合
上記のシミュレーションによれば、ボーナス返済の有無が総返済額に与える影響はほとんどありませんが、毎月の返済額は大きく変わることがわかります。毎月の返済額を抑えたい方は、低金利のマイカーローン利用に加えボーナス返済を適用すれば、毎月の負担を最小限に抑えながらマイカーローンを利用できるようになるでしょう。
なお、毎月の返済額は借入額や返済期間、金利タイプ、返済方式などの条件によって大きく変わります。上記シミュレーションはあくまで目安として考え、自分に適した返済計画を立てるように注意しましょう。
マイカーローンの審査をする際に意識したいポイント5選
マイカーローンは、住宅ローンなどと同じく金融機関が提供するローン商品であり、利用するためには金融機関が行う審査に通過する必要があります。
次に紹介するポイントを抑えた上で申込みを行いましょう。
年収や勤続年数、雇用形態などの属性に問題がないかを確認する
マイカーローンの審査には「年収」「勤続年数」「雇用形態」などの属性が確認されます。利用者が長期にわたって返済できるかどうかを判断するためです。金融機関によっては、年収ではなくローン返済額が年収に占める「返済比率」を審査基準としているところもあります。同じ収入であっても返済比率によって希望通りの融資が受けられないことがあります。
信用情報に問題がないかを確認する
信用情報は、利用者のこれまでのローン契約やクレジットカードの利用状況などが記録された情報で、信用情報機関に一定期間登録されています。
ローン返済の滞納や多重債務、自己破産などネガティブな情報が登録されているとマイカーローンの審査に影響が出ることもあります。
信用情報は個人でも開示請求が可能ですので、不安がある人は、マイカーローンを申込む前に信用情報を確認しておくとよいでしょう。
頭金を用意する
頭金とは、費用の一部を支払う代金のことです。頭金を入れて借り入れる金額を少なくすれば返済比率を抑えることができます。同じ年収で、同じ金額の車を購入する場合でも、頭金がある場合とない場合では審査結果が異なる可能性もあります。
年収に対して借入金額が高く、返済が滞るリスクがあると判断された人は、頭金を入れて返済比率を抑えることも検討しましょう。
他の返済中のローンを完済する
他社からの借り入れや他のローン残高がある方は、審査に悪影響が出る可能性があります。
マイカーローンの審査を申込む前に、できれば完済を、難しければローン残高を減らしておきましょう。
また、カードローンは完済しても自動解約にならず、いつでも借りられる借入契約中となるので、完済済みのカードローンがあれば解約しておきましょう。
保証人を依頼する
保証人の要否は金融機関によって異なります。属性審査などから返済能力が不十分と判断され保証人を求められるケースもあります。保証人をたてることで審査に通ることもあります。ただし近年では、保証人の代わりに金融機関が指定する保証会社の保証が必要となるケースが一般的です。
車を買わずに安く乗る方法
車を利用する方法は、マイカーを購入する以外にも存在します。「自分だけの車を所有する」こだわりがないならば、カーシェアリングやカーリースを利用するのも選択肢に入ります。
カーシェアリングを利用する
車を頻繁に使わない場合、カーシェアリングの利用もよいでしょう。カーシェアリングは、自動車会社やレンタカー会社が所有する車を会員同士でシェアするサービスのことで、24時間好きなタイミングで、必要な時間だけ、車を使用することができます。スマホから予約し、車がある場所に行くだけで利用できます。
一方、いつも同じ場所で同じ車種を利用できるわけではないし、使ってなくても月会費が発生する、また、清算方法をクレジットカードに限定していることが多いなどのデメリットもあります。
カーリースを利用する
カーリースとは、毎月定額の支払でマイカーのように使える車のサブスクのようなサービスです。車の所有者はカーリース会社、使用者は契約者となります。諸費用(自賠責保険料や各種税金など)や各種メンテナンスは月々の料金に含まれていて、支出を把握しやすいことが大きなメリットです。契約満了後は車を返却するだけなので、廃車手続きや名義変更手続きの手間や費用を節約できます。
カーリースは、基本的には契約期間満了後に車をリース会社に返却するため、車両本体価格から残価を差し引いた金額を支払い対象としています。
デメリットには、原則として中途解約ができないこと、走行距離に制限があること、購入に比べ総額は割高になることなどがあげられるでしょう。
まとめ
車は高額だからこそ、少しでも安く買いたいものです。安く購入するための方法はいくつか存在します。特に購入する時期や車のグレード、新車・中古車といった点にこだわらなければ、比較的好みに近い車を安く購入できるでしょう。
なお、車の善し悪しは写真やスペック情報からだけでは判断しにくいため、実際に試乗するなど、現物に触れてみるのがおすすめです。また同じ車でも販売店によって価格やアフターサービスの質が全く異なる場合があります。販売店とは購入後も長い付き合いになりますので、事前にリサーチをした上で購入する店を選ぶとよいでしょう。
車を購入する時は金融機関が提供するマイカーローンの利用を検討しましょう。審査が厳しい一面もありますが、低金利で利用できるのは大きなメリットです。また、車を頻繁に使わないライフスタイルなら、カーリースやカーシェアといった選択肢もあります。
ストレスも負担も少ないカーライフを送れるよう、自分に合った車の利用方法を選択しましょう。
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文/手塚 裕之