けがや病気、冠婚葬祭などの急な出費で頭を悩まされた経験はありませんか?そんなとき、生活に必要なあらゆる場面で活躍するのがカードローンです。
なかには、お金を借りることに抵抗を感じる方もいるかもしれませんが、重要なのは「賢く利用すること」です。借入方法や返済方法を正しく理解して、しっかりとした返済計画を立てていれば決して怖いものではありません。
今回は、カードローンとクレジットカードのキャッシングの違い、カードローンのメリット、デメリットを解説の上、便利な利用方法も紹介します。
カードローンとは
最初にカードローンの特徴を正しく理解することから始めましょう。
カードローンの特徴
カードローンの最大の特徴は、無担保無保証で必要なときに必要な金額だけスピーディーに借りられることです。クレジットカードとは違いショッピングに直接は利用できませんが、一般的にクレジットカードのキャッシングやリボ払いよりも利率は低い傾向です。
カードローンの種類
カードローンは、銀行や信用金庫、信販会社、クレジット会社、消費者金融など多くの金融機関で取り扱っています。大きく分けると以下の3種類に分けることができます。
銀行(信用金庫)のカードローン
都市銀行・地方銀行・ネット銀行・信用金庫などで取り扱っているカードローンです。カードローンの中でも金利が一般的に低めの傾向にあります。
信販会社のカードローン
主に、クレジットカードを発行している会社で取り扱っています。買い物に利用するクレジットカードのイメージが強いですが、カードローンも多くの会社が取り扱っています。会員特典が充実したもの、低金利で融資枠の大きい商品もあります。
消費者金融のカードローン
消費者金融のカードローンは、申込みから審査、融資のスピードの早さが特徴的です。また、一般的には「銀行(信用金庫)のカードローンよりも金利が高め」といわれますが、最近では金利も比較的低くなってきており、銀行と遜色ない金利の会社が増えています。
カードローンとクレジットカードのキャッシングの違い
カードローンとクレジットカードのキャッシングの違いについて整理してみます。
カードローン | クレジットカードキャッシング(一括払い) | クレジットカードキャッシング(リボ払い) | |
---|---|---|---|
特徴 |
借入専用のサービス
|
クレジットカードの付帯サービス
|
クレジットカードの付帯サービス
|
返済方法 |
残高スライドリボルビング返済方式(※)が一般的
|
各社毎月一定の締切日を設け、利用した元金と手数料の合計を翌月一括して返済
|
月々一定額(元金と利息の合計)を返済
|
金利・利息 |
クレジットカードに比べて金利が低い
利息は借入残高の日割り計算 |
15%~18%程度で高め
利息は利用日翌日から返済日までの日数で計算 |
15%~18%程度で高め
利息は前回支払日の翌日から翌月返済日までの日数で計算 |
担保・保証人の有無 |
なし
|
なし
|
なし
|
年会費などの諸費用 |
なし(借り入れをしない限り利息も発生せず、費用がかからない)
|
会社によっては年会費がある
|
会社によっては年会費がある
|
※「残高スライドリボルビング返済方式」とは、借入残高に応じた額を毎月返済する方法です。例えば、借入残高が30万円以下なら返済額は月7,000円、借入残高が30万円超50万円以下なら返済額は月1万円というように、借入残高に応じて返済額が変動する返済方法のことをいいます。
カードローンのメリット、デメリット
カードローンのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
カードローンのメリットとは
カードローンの最大のメリットは、なんといっても利便性の高さにあります。
利用目的が自由
銀行のマイカーローン・教育ローン・医療ローンなどは、利用目的に応じてお金を使わなければなりませんが、カードローンなら利用目的は問われず、使い道は自由です。ただし、事業用資金には使えない商品が多いので注意してください。
借入限度額以内なら何度でも借り入れできる
「目的別ローン」や「フリーローン」は一度融資を受けたら後は返済をするだけとなり、再度融資を受けるときにはもう一度審査を受けなければなりません。一方、カードローンは借入限度額以内なら、何度でも借入可能です。
申込みから融資までスピーディー
金融機関によっては、申込みをしたその日に融資を受けることが可能です。すぐにお金が必要な場合は、最短即日で融資が受けられる金融機関を選択しましょう。
手続きが簡単
カードローンの申込み方法は、窓口・PC・スマートフォン・ローン契約機・郵送などさまざまです。契約方法は、最近では来店・郵送以外にもWEB上で完結できる商品が増えています。
コンビニATMで手軽に利用が可能(手数料も無料が多い)
PC・スマートフォンを利用して指定口座への「口座振込」で融資を受ける方法と、現金が必要なときにカードを利用して提携ATMで融資を受ける方法があります。提携金融機関のATMであれば利用手数料を無料としているところもあるので、カードローンを契約する金融機関に迷ったときは、ATM利用手数料のコスト面も検討材料の一つにしてはいかがでしょうか。
臨時での返済が可能
カードローンの返済は、「約定返済」以外にも都合に合わせて「随時返済」や「一括返済」が可能です。
「約定返済」とは、月々決められた日に決められた金額を返済することをいいます。
「随時返済」とは、手元資金に余裕ができたときに臨時に追加で返済をすることをいいます。事前に所定の申込みをすることで、返済日に希望した金額を追加で返済する方法、カードを利用して提携ATMから随時返済を行う方法、ローン会社が指定した返済専用の口座へ振り込みをする方法の3つがあります。
「一括返済」とは、まとまった資金ができたときに一括して返済をすることをいい、返済方法は「随時返済」と同じです。
カードローンのデメリットとは
カードローンはメリットばかりではありません。気をつけたいポイントも知っておいたほうが良いでしょう。
返済期間が長くなるほど利息がかかる
カードローンの返済方法には3つあることは説明しました。毎月一定額の返済を行う「約定返済」だけでは、利用した金額が多くなるほど返済期間が長期化することが考えられます。
返済期間が長くなれば、それだけ利息を多く支払うことになるため、余裕ができたときには「随時返済」を行い、カードローン借入残高を減らして利息の負担を抑えることも検討しましょう。
他のローンの審査に影響する
カードローンを利用すると、住宅ローンや教育ローン、マイカーローンなど新たなローンを組もうとしたときの審査に影響が出る可能性があります。
金融機関でローンを利用すると、個人信用情報機関(CIC、JICC、KSCなど)へ、借入申込み情報や契約内容、支払状況などが登録されます。金融機関はこの信用情報機関に照会を行い、融資の審査を行うことが一般的です。そのため、カードローンの契約金額が多すぎると返済負担が重いと判断され、他のローンの審査が下りない可能性があります。住宅ローンをはじめ他のローンを検討している人は注意しておきましょう。
カードローンの便利な利用方法とは
カードローンは、必要なときに必要なだけ一時的にお金を借りてボーナスでまとめて返済するなど、利息負担を最小限に抑えて賢く使えば非常に便利です。車の故障や突発的な病気・けがによる医療費、リフォームや教育資金でローンを組んだが思った以上に費用がかかってしまったときにも活用できます。
最近では、自分への投資として語学留学や資格取得など自分自身のスキルアップに使う方も多いのではないでしょうか。
また、口座の残高が足りなくて引き落としができないときは 「口座振り込みによる借り入れ」、現金が必要なときには「カードを利用してコンビニATMで借り入れ」など、借入方法を必要に応じて使い分けるとうまく活用できるでしょう。
カードローンの利便性や柔軟性をフルに活かして、無理なく計画的に自分に合った利用方法で賢く使うのが一番です。
カードローンの借り入れまでの流れ
カードローンの一般的な借り入れまでの流れは次のとおりです。
- インターネット・アプリ・電話などで申込みをする
- 仮審査が行なわれる
- 仮審査に通過後、必要書類を提出する
- 金融機関で本5審査が行なわれる
- 本審査に通過後、カードを受け取る
金融機関のWebサイトやアプリ、電話などを利用して申込みをすると、仮審査と本審査が行なわれます。仮審査に通過した場合は、必要書類の提出を求められるため、事前に準備しておくと良いでしょう。
本審査に通過して契約が完了すると、登録先の住所にカードが送られてきます。受け取ったカードを利用し、金融機関のATMや提携ATMから現金を引き出すことが可能です。また、金融機関によっては、指定口座に振り込みをしてもらうことで融資を受けることが可能です。
申込みに必要な書類
カードローンの申込みにおいて、Webサイトやアプリで申込みから融資まで完結する場合は、本人確認書類をアップロードします。金融機関によっては、郵送やFAXでの提出も可能です。一般的な必要書類には、以下のような種類があります。
本人確認書類:運転免許証・健康保険証・マイナンバー(個人番号)カードなど
審査
カードローンの審査では、おもに属性情報と信用情報をもとに審査を行ないます。属性情報とは、年収・勤続年数・同居家族の有無など、申込者の基本情報のことです。
そして、信用情報は、完済した金融商品、または現在利用している金融商品の金額や支払い状況などの利用履歴を指します。
カードローンの審査に通過するには、安定収入がある・勤続年数が長い・支払い状況が良好などの要素があると有利です。
シミュレーションでわかりやすく解説!
カードローンは、金利が高ければ利息の負担は大きくなることはもちろん、返済期間の長さにも大きく影響します。ここでは、イメージしやすいようにシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション
カードローンでは、借入限度額が大きくなるほど金利を低くする金融機関が多い傾向です。なぜなら、利用金額の元金に応じて利息制限法第1条で上限金利が決まっているからです。10万円未満は上限20%、10万円~100万円未満が上限18%、100万円以上は上限15%となっています。
ここでは、仮に以下の契約条件で1ヵ月間お金を借りたものとして計算してみましょう。
- (1)借入限度額 100万円 金利年12%
- (2)借入限度額 200万円 金利年10%
- (3)借入限度額 300万円 金利年8%
1ヵ月の利息の計算は1年365日、1ヵ月を30日とすると「借入金額×金利(年)×30÷365」で計算することになります。
借入金額 | 金利(%) | 1ヵ月の利息(円) | 計算式 | |
---|---|---|---|---|
(1) | 50万円 | 12% | 4,931円 | 50万円×12%×30日÷365日 |
(2) | 50万円 | 10% | 4,109円 | 50万円×10%×30日÷365日 |
(3) | 50万円 | 8% | 3,287円 | 50万円× 8%×30日÷365日 |
同じ借入金額でも、金利が異なることで支払利息にこれだけの差が出ます。計画以上に借り入れをしないように気を付ける必要はありますが、金利を下げるために借入限度額の大きい契約をすることも検討しましょう。
カードローンを契約する場合は、金融機関選びも大切です。金利の低い金融機関でカードローンを組むことができれば、利息負担を減らすことができるため、より賢く活用することができるでしょう。
カードローンを上手に選ぶ6つのポイント
次に、カードローンを上手に選ぶための6つのポイントについてみていきましょう。
金利
カードローンの金利は、金融機関や借入限度額によって異なります。金利の高いカードローンを利用し、支払期間が長期におよんだ場合、支払総額が大きくなることが考えられるでしょう。
申込みをする際は、十分に各金融機関の金利を比較し、希望金額内で低金利のものを選ぶことが大切です。
申込方法
カードローンの申込みをするときは、Webサイトやアプリなどのインターネットを利用した申込みが可能かどうかを確認しましょう。インターネットを利用すると、都合の良いときにいつでも申込みができ、時間や場所を選ばずに済むためです。
カードローンの申込みでは、申込先の金融機関の口座が必要になる場合があります。前もって口座開設の必要の有無をチェックしておくと、申込みから融資までの流れがスムーズに進むでしょう。
融資までのスピード
カードローンの申込みをする方のなかには、急な出費に対応するため、カードローンをすぐに利用したいと考える方もいるかもしれません。
申込みから融資までのスピードは金融機関によって異なり、消費者金融のカードローンのほうが、銀行のカードローンよりも比較的早いとされています。
すぐにお金を必要とする場合は、各金融機関の融資までのスピードを考慮すると良いでしょう。
借入方法
カードローンを利用する際、カードで提携ATMから現金を引き出すだけでなく、インターネットや電話申込みで、指定口座への送金が可能であれば、なお便利です。指定口座への振り込みでは、送金手数料の有無を確認しましょう。
金融機関から指定口座へ送金ができれば、「ATMが自宅から遠い」「ATMに出向く時間がない」という方でも、スムーズな借り入れが可能です。
返済方法
カードローンのおもな返済方法は、提携ATMからの入金・金融機関が指定した返済専用口座への振込・インターネットバンキングでの振替などです。
カードローンの返済が遅れると、信用情報に傷がつく・遅延損害金が発生する・カードローンが利用停止になる、などのリスクが発生します。
そのため、自宅や勤務先の近くに提携ATMがある、インターネットバンキングが利用できるなど、いつでも返済しやすい環境を整えておくと便利です。
キャンペーンの有無
新規入会による金利優遇やキャッシュバックなどのキャンペーンを利用すると、カードローンをお得に利用できます。
キャンペーンは、常時行なわれているものや期限付きのものなど、さまざまです。金融機関によっては実施していない場合もあるため、比較検討の際はチェックしておきましょう。
オススメなカードローンとは
カードローンの選び方「イー・ローン」
日本最大級のローンデータベース「イー・ローン」の【カードローン総合ランキング】では、銀行・信用金庫など金融機関の種類ごとや、お住まいの地域ごとのさまざまなランキングを見ることができます。
「どのカードローンが良いのかわからない」と迷うときには、ぜひ一度ご覧になってください。
文/赤上 直紀