第15回 制度改定でどうなる！？ 格安高速バス最新事情 （2013年08月27日）

東京～大阪間がワンコインで移動できる！？

セツ子

来月、関西方面に遊びに行こうと思っているんだけど、交通費ってバカにならないわよね。せっかく行っても遊ぶお金がなくなっちゃう…。

ヤク雄

高速バスはどう？ 夜に出発すれば朝には着くし、どうせ消灯されちゃうから女の寂しい一人旅でも気にならないだろうし。

セツ子

いつもひと言余計なんだから…。でも高速バスかぁ。寝ていれば着くっていうのは楽でいいわね。でも、事故とか危ないイメージもあるけど大丈夫なのかな？ そういえば8月から制度が変わったってニュースで見たような。

ヤク雄

高速バスには「高速路線バス」と「高速ツアーバス」の2つがあったんだけど、高速路線バスに統一されたんだ。高速ツアーバスは、もともと旅行会社がバスを貸し切って企画していたんだけど、行き先や料金も旅行会社が自由に決められるため、価格競争でどんどん安くなっていった。ただ安くなると人件費の削減とかもあったようで。2012年に起こった関越道の事故をきっかけに安全面が重視されるようになったんだ。1人の運転手が夜に運転できる距離が原則400kmまでと決められた。体調管理もきちんと行われる。

セツ子

安いのは嬉しいけれど、やっぱり安全面はちゃんとしてくれないとね。

ヤク雄

あとは、バス停の設置も義務化された。乗り場が分かりやすくなったのはいいけれど、これまで使用されていた場所から変更になっている場合が多いので注意が必要だね。

セツ子

値段にも変化はあるの？

ヤク雄

正直なところ、バス停の設置や運転手の補充でバス会社のコストはかかるので、値上げも予想されるみたい。でも低価格のままで据え置きだったり、さらにお得なキャンペーンをやっている会社もあるよ。例えば大手高速バス会社の『WILLER TRAVEL』は1kmあたり1円というキャンペーンを開催。これを使えば東京～名古屋間は250円から、東京～大阪間は470円から行けてしまう。

セツ子

そういえば、『VIPライナー』も東京～大阪間が500円の「限定ワンコインシート」を発売しているわね。いつ発売されるかは不定期なので、こまめにサイトをチェックしておくといいかも。

ヤク雄

ネット割引や早期予約の割引は各社で行われている。『JRバス』はネットで予約すると2～5%の割引になるし、乗車日の21日前までに購入すると最大で50%以上オフになる「早売21」もお得。『JRバス』はもともと高速路線バスとされ、高速ツアーバスよりも高いと言われていたけれど、割引サービスも充実してきたので注目だね。特に、高速ツアーバス系はGWや夏休み、年末年始などの時期は値段が高くなるので、そのときは高速路線バス系を利用したほうが安い場合もある。

セツ子

各社運賃は違うし、曜日や出発の時間帯によっても運賃は変わるのよね…迷っちゃうわ。こんなときは比較サイトで一気に調べて予約すれば楽よね。『楽天トラベル』なら楽天ポイントも貯まるからさらにお得になるわ。

ヤク雄

制度が変わって値上げしたとしても、やっぱり新幹線よりも断然安い。飛行機ならLCCも魅力だけど、空港までの移動費や手間を考えると、高速バスは乗降場が街の中心なので便利。やっぱり高速バスはまだまだ魅力的だね。

バスの中が宇宙空間に！？ 変わり種バスも続々登場

ヤク雄

高速バスの魅力は価格だけじゃないよ。最近はユニークなシートもいろいろある。僕が注目しているのは、『WILLER TRAVEL』の「スターファイター」というアトラクション付きのバス。車内が宇宙船のような内装になっていて、座席のモニターとジョイスティックを使って、宝探しのミッションをクリアするというもの。大阪～広島間の移動や東京での日帰りツアーに使われているみたい。これなら家族旅行の移動中、子供も退屈せずに楽しめそう。

セツ子

『WILLER TRAVEL』は私も利用したことある！ いろいろな座席のタイプがあっておもしろいよね。私が利用したのは「Beaute（ボーテ）」。140度のリクライニングで快適なのはもちろん、コロコロマッサージやプラズマクラスターイオン発生機まで付いているの。バスを降りる頃には10歳若返った感じだったわ～。

ヤク雄

（無視して）東京～徳島間で運行する『海部観光』の「マイ・フローラ」もすごい。座席は木製の仕切りで囲まれ、定員はたった12人。シートは寝返りまで打てるほど広い。さらに着替え用の部屋まである。値段は1万3,000円と高速バスにしては決して安くはないけれど、リッチな旅行になりそう。

セツ子

高速バスのファーストクラスってわけね。飛行機はムリだけど、これなら手が届くわ。

ヤク雄

快適な旅をするという意味でも、高速バスを選択肢の一つに入れておくべきだね。

企画編集／カデナクリエイト、イラスト／小豆だるま、編集／イー･ローン